本を好きになるには、生活の無駄を省くことも大切なのです

生活に無駄がある人は、本に向き合うことはなかなかできにくいようです。生活に無駄とはどんなことでしょうか。たとえば、必要以上に人に気を使うとか、完璧すぎる家事や子育て、過ぎたことをくよくよ悩んだり、そうなる自分が嫌で、悩まないように過剰な対応をするなどです。みなさん「おかえし」という絵本をご存知でしょうか。何かをくれたから、それにお返しをするというほほえましい狐の家族の物語です。

しかし、この絵本の最期は、お返しをするあまり、狐の家族は家ごと隣の家と取り換えることになるという話です。何かをもらって、「ありがとう」で終わらないのです。過剰な対応というのは、何かをもらって、すぐお返しをする、しかも高価なお返しをするというのがそれにあたります。たとえばご近所で何かを頂いた時、こちらも、何かが余分にあった時だけ、あの時頂いたからという事を思い出しておすそ分けするのが普通の対応です。

恩を着せる着せないで考えると、少し自分側が恩を着せておく方が楽に生きられるという人は、無駄だらけで生きている人だと思えます。自分を生きられていないということです。その裏にはどんな気持ちが隠れているかといえば、あの人、何のお礼もしないと「陰で言われるのではないと心配する」せっかくあげたのに喜ばなかったと「思われるのではないかと勘繰る」という気持ちが常に付きまとっている人です。

このような気持ちから解放されるために本の世界に逃げ込むという人もいます。しかし、それでは本当の本好きとは言えません。ここでそれほど掘り下げる必要はないのかもしれませんが、せっかくなので軽く掘り下げてみました。これでも”軽く”です。人の心は複雑ですが、そのほとんどが心理学的に解明されています。原因が必ずあるのです。生活の無駄を省くことができれば、それは同時に心の無駄を省くことでもあります。

心の無駄とは、逆方向から言えば、自分の好きな物や嫌いなものがはっきりとわかり、自分のやりたいことをする生き方です。自己中心的な嫌な奴だと思われそうですか?それは違います。自分の好きなことをやって生きていくことを通過しなければ、本当の意味で人に気を使うこともできませんし、自分を守ることもできません。人とのよりよい関係は、自分も相手も守れるコミュニケーションです。

その基本ができている人は、本が嫌いや苦手という表現はあまり使わないと思います。本が特別好きか、好きか、普通。という事になるのではないでしょうか。今どき、本といってもデジタル書籍もある時代です。デジタルで本が読める人は、情報があればいいというシンプルな人かもしれません。紙ベースの本を手に取る人は、本が好きな自分も好きなのかもしれません。しかし、自分が好きであることが一番です。

自分が好きじゃない人に他人を好きになることはできません。表向きはできますが、本当の意味で好きになることは決してないのです。だから、自分が好きなのは大事なことです。人目を気にして自分よりも人を優先する人は無駄が多い人です。あなたの生活は無駄が多いですか?その無駄を考えれば、本からどのくらい遠いか、近いかが見えてくると思います。